「鼓動」をモチーフにしたスタイリングが特徴のアクセラスポーツは、カッコよさという点ではクラス随一と言えるかもしれません。
ただ、こうしたスタイリング重視の車は、往々にして運転のしやすさが犠牲になっているケースが多いものです。
ここでは、実際にアクセラスポーツの運転は難しいのかどうかついて検証すると同時に、駐車のコツや運転をサポートするアイテムについても紹介しますので、購入を検討されている方は是非とも参考にしてみてください。
アクセラスポーツの大きさは?ボディサイズをチェック
まずは、アクセラスポーツの売れ筋グレード「15S プロアクティブ」(2WD)のボディサイズをチェックしてみましょう。
【アクセラスポーツ 15S プロアクティブ(2WD)】
全長 4,470mm
全幅 1,795mm
全高 1,470mm
4.5mに迫る全長や約1.8mに達する全幅は、コンパクトカーと呼ぶには少し大きいサイズです。
狭い路地や駐車場の多い日本では、気軽に乗り回せるギリギリの大きさと言えるでしょう。
ここで、5ナンバー車のデミオから乗り換えるケースを想定し、サイズを比較してみます。
※デミオ 出典mazda.co.jp
【デミオ 15Sツーリング(2WD)】
全長 4,060mm
全幅 1,695mm
全高 1,525mm
アクセラスポーツはデミオと比較すると全長が400mmほど長く、全幅も100mmワイドです。
乗り換えた場合は、特に全幅の広さが気になるかもしれません。
実際問題として、デミオでは難なくできた狭い路地でのすれ違いにも気を使う、というケースも出てくることでしょう。
アクセラスポーツの小回りは効くか?アクセラスポーツの最小回転半径
次に、アクセラスポーツの小回り性を検証してみましょう。
アクセラスポーツの最小回転半径は5.3mで、デミオの4.7mと比べ60cmも大きい数値です。
デミオから乗り換えると、駐車やUターンなどの際にデミオほどの小回りが効かないため、不便さを感じるかもしれません。
しかし、ライバルに目を向けるとカローラスポーツが5.1~5.3m、インプレッサスポーツが5.3mでアクセラスポーツと同じような数値なので、車格が違うので仕方ないと割り切るべきでしょう。
アクセラスポーツは運転しやすい?難しい?車両感覚と運転感覚
※アクセラ 出典mazda.co.jp
アクセラスポーツのフロントの見切りは良くない
※アクセラ 出典mazda.co.jp
アクセラスポーツはボンネットフードがなだらかに下がったデザインなので、運転席からボンネットの先端を確認することはできません。
フロントの見切りが良くない上に、ボンネットフードがハッチバック車としては長いので、鼻先を壁ギリギリまで寄せるのは感覚的に難しいでしょう。
また、斜め前方視界の点でも、傾斜の強いAピラー(フロントピラー)が死角を生み出しているため、あまり良い点は与えられません。
交差点で右左折する際は、横断歩道上の歩行者が死角に入っていないかどうかに十分な注意が必要です。
アクセラスポーツの車幅の感覚は掴みやすい?
アクセラスポーツは運転席からボンネットの先端が見えないため、基本的に車幅の感覚は掴みにくい方です。
本来なら車幅を掴むもう一つの目安になるAピラーも、3ナンバーサイズのボディゆえ左右同時に視野に入らないため、あまり助けになってくれません。
※アクセラ 出典mazda.co.jp
車幅の目安としては、ボンネットの左右のふくらみを目印にして、徐々に車幅感覚をつかむといいでしょう。
慣れないうちは、幅寄せや狭い路地でのすれ違いなどで、それなりに神経を使うかもしれません。
アクセラスポーツの後方視界は悪い
※アクセラ 出典mazda.co.jp
スタイリッシュなフォルムが持ち味のアクセラスポーツは、リアウィンドウも大きさよりデザイン性が重視されています。
そのため、後方視界は決して良いとは言えません。
更に斜め後方視界に関しても、キックアップしたベルトラインの影響でリアドアウィンドウの面積が小さい上、Cピラー(リアクォーターピラー)も比較的太いので、死角が大きい方です。
バックの際は、車両や歩行者などを見落とさないよう、それなりに神経を使う事になります。
アクセラスポーツの駐車にはコツがある?
先ほど解説したように、アクセラスポーツは後方及び斜め後方視界に難がある上、ボディ後端部の位置が掴みにくいので、バックでの駐車は容易とは言えません。
また、前向き駐車する場合も、フロントバンパーの位置が把握しにくいため、壁にぶつけてしまわないよう注意が必要です。
アクセラスポーツは、ライバルと比べて駐車に神経を使う車と言えるでしょう。
アクセラスポーツの運転で役立つアイテム
360°ビューモニター+フロントパーキングセンサー(センター/コーナー)
※アクセラ 出典mazda.co.jp
全方位的に死角が多く、ボディ四隅の位置も掴みにくいアクセラスポーツの場合、メーカーオプションの「360°ビューモニター+フロントパーキングセンサー」は必須のアイテムと言えるでしょう。
360°ビューモニターとは、車両の前後左右合計4箇所に設置されたカメラの映像を、センターディスプレイに表示するアイテムです。
フロントビュー/リアビュー/左右サイドビュー/トップビューの4つのビューにより、並列駐車や縦列駐車、狭い路地での離合、見通しの悪いT字路での合流、バックでの出庫など、様々なシチュエーションで安全確認をサポートしてくれます。
特に、車両を上から俯瞰した映像を表示するトップビューは、難しい状況において大きな助けになるはずです。
また、フロントパーキングセンサーは、フロントセンター部及びコーナー部に取り付けられた合計4つの超音波センサーで障害物を検知し、警報音で接近を知らせるアイテムになります。
標準装備されるリアパーキングセンサー及び360°ビューモニターの威力と相まって、他の車や障害物などと接触事故を起こしてしまうリスクが大幅に減るはずです。
価格は54,000円と安くはありませんが、有難味の大きさを考えれば、むしろお値打ちと言えるでしょう。
パーキングセンサー(フロント追加用)
※アクセラ 出典mazda.co.jp
先ほど紹介したアイテムは、最廉価グレード15Cには設定がありません。
では、15Cを購入する場合は、運転をサポートするアイテムは選べないのでしょうか?
実は、360°ビューモニターは諦めざるを得ませんが、フロント追加用のパーキングセンサーはディーラーオプションで用意されています。
フロントの見切りの悪さをカバーするために、是非とも装着したいところです。
価格はAT車用が26,460円、MT車用が32,680円です。
アクセラスポーツの運転のしやすさまとめ
アクセラスポーツはコンパクトカーと呼ぶにはボディが大きい上、見切りや視界がスタイリングの犠牲になっているので、ハッチバック車としては運転が難しい部類に入ります。
特に運転に苦手意識のある女性にとって、アクセラの運転は荷が重いかもしれません。
しかし、ここで紹介したアイテムを装着すればこうした欠点をカバーしてくれるので、かなり運転がしやすくなるはずです。
また、車幅以外は決して大きなサイズではないので、サイズ感に慣れてしまえば問題ない大きさと言えます。
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