スズキの軽乗用車「ラパン」は、女性をターゲットとしたファニーなスタイリグや随所に散りばめられたウサギのマーク、リビングを彷彿とさせるインテリアのほか、視界の良さや広い室内空間なども魅力となっています。
また、ラパンにはFF(2WD)車のほかに4WD車も設定されていますが、その実燃費や雪道での走行性能がどの程度の水準にあるのかを、徹底評価します!
ラパンの4WDグレードの価格は?
売れ筋グレードにおける2WD車と4WD車の価格差は?
当サイトが独自に実施した調査によると、ラパン・4WD車の売れ筋グレードは最上級グレード「X」となっています。
価格をX・2WD車と比較すると、10万2,600円高く設定されています。
ラパン X 2WD 1,389,960円
ラパン X 4WD 1,492,560円
2WD車との価格差は、軽自動車としては平均的なところです。
4WD車と2WD車との仕様の違いは?
ラパン4WDのボディスペック
スペック | ラパン X 2WD | ラパン X 4WD |
---|---|---|
全高(mm) | 1,525 | 1,525 |
最低地上高(mm) | 155 | 155 |
リアトレッド(mm) | 1,300 | 1,290 |
車両重量(kg) | 680 | 730 |
4WD車は、2WD車と比べるとリアのトレッドが10mm狭く、車両重量は50kg重くなっています。
ラパン4WDのメカニズム
リア・サスペンションは、4WD車がI.T.L式、2WD車がトーションビーム式と異なる形式が採用されています。
ラパン4WDの装備
4WD車には、座面を温めるシートヒーターが運転席だけでなく助手席にも付くほか、後席に直接温風を送るリヤヒーターダクトや、鏡面の凍結を防ぐヒーテッドドアミラーが備わるなど、2WD車よりも寒冷地での使用に適した仕様になっています。
ラパンのライバル車との価格差は?
ラパン4WDの最大のライバル車は?
ラパンの最大のライバル車には、同じファンシー系の軽乗用車である「ダイハツ・ミラココア」があげられます。
ラパンのXと競合するグレードは、「Xリミテッド」が該当します。価格は、ラパン・Xが149万2,560円であるのに対し、ミラココア・Xリミテッドは5万円ほど高い154万4,400円となっています。
パワートレインの違いは?
搭載されるエンジンはともに660cc直3で、最高出力も同じ52psですが、最大トルクはラパンが6.4kgm、ミラココアが6.1kgmと若干差が付いています。
スペック | ラパン X 4WD | ミラココア Xリミテッド 4WD |
---|---|---|
最高出力(ps) | 52 | 52 |
最大トルク(kgm) | 6.4 | 6.1 |
車両重量(kg) | 730 | 870 |
さらに、車両重量はラパンの方が140kgも軽いので、加速の軽快さではラパンが上回ります。
装備の差は?
ラパンのみに付く装備として、
- 衝突被害軽減ブレーキの「レーダーブレーキサポート」
- ペダルの踏み間違いによる暴走を防ぐ「誤発進抑制制御機能」
- アイドリングストップ時にもエアコンから冷風が出る「エコクール」
- 運転席&助手席シートヒーター
- 周囲の明るさを検知してヘッドランプを自動で点灯・消灯する「オートライトシステム」
- お洒落な外観と軽さが魅力の「14インチアルミホイール」
などがあります。
一方、ミラココアのみに付く装備はこれといったものがなく、装備面でもラパンの圧勝です。
ラパン・4WD車の実燃費は?
カタログ燃費と実燃費の差は?
ラパン・Xの4WD車の燃費性能は、カタログ燃費(JC08モード)が33.2km/L、当サイトの調査による実燃費が21.6km/Lとなっています。
達成率は65.1%で、カタログ燃費との乖離は大きい方です。
2WD車と4WD車の実燃費の差は?
当サイトの調査によると、ラパン・Xの2WD車の実燃費は19.9km/Lです。カタログ燃費では2.4km/L劣る4WD車が、実燃費では逆に1.7km/Lも上回る結果となりました。
恐らく、2WD車は渋滞の多い都市部に住むユーザーが多く、4WD車は渋滞の少ない降雪地域に住むユーザーが多いため、こうした結果につながったものと思われます。
ライバル車との実燃費の差は?
ミラココアの4WD車の実燃費は、当サイトの調査によると17.1km/Lなので、ラパンの方が4.5km/L勝っています。
カタログ燃費の差が6.4km/Lなので、まずは妥当な結果でしょう。
ラパン・4WD車の雪道の走行性能は?
ラパンの4WDはどんなシステム?
ラパン4WDの概要
ラパンに採用されている4WDシステムは、他のスズキ製軽自動車と同様、ビスカスカップリングを用いたパッシブオンデマンド式です。
ラパン4WDの制御
通常は前輪駆動で走行し、旋回時や前輪にスリップが生じた場合など前後輪に回転差が生じると、ビスカスカップリングの働きにより後輪にトルクが配分され、4WD走行に移行します。
ラパン・4WD車の雪道での実際の走行性能は?
ラパン4WDの発進・加速時
ラパン・2WD車と比較した場合、アイスバーンなど滑り易い路面では、発進・加速時の安定性に大きな差が付きます。
2WD車は、どれほど性能の良いスタッドレスタイヤを履いていたとしても、発進時の盛大なホイールスピンと左右への蛇行は避けられません。
しかし、4WD車はホイールスピンが最小限に抑えられる上、まっすぐに進むことができます。
ただし、ビスカスカップリング式4WDの欠点として、前輪がスリップしてから後輪に駆動力が伝達されるまでのタイムラグがあるので、やや不自然なフィーリングが感じられてしまいます。
ラパン4WDの登坂・降坂時
4WD車は、登り勾配の雪道での走行も2WD車に差を付けます。
特に、滑り易い坂道の途中で一旦停車後、再度発進するシチュエーションは2WD車が苦手とするところですが、4WD車は問題としません。
一方、下り坂では、ビスカスカップリング式4WDは前輪にしかエンジンブレーキが効かないケースが多いため、2WD車より有利ということはありません。
ラパン4WDの通常走行時
路面状況によっては、ビスカスカップリング式特有の癖が気になる場合もありますが、それでも2WD車よりはずっと安心して走行することができます。
また、ラパンは4WD車でも絶対的に車両重量が軽いので、柔らかい新雪でもタイヤが深く埋もれず、走り易いメリットがあります。
一方、アイスバーンでの走行や轍を乗り越える時などは、車両重量の軽さが災いして不安定になることがあります。
ラパン・4WDのまとめ
ラパン・4WD車の雪道での走行性能は、軽4WD車としてごく平均的なレベルと言えます。豪雪には決して強くないものの、「生活4駆」と割り切って状況を選んで使えば、十分実用になってくれます。
一方、燃費性能は、カタログ燃費との落差はいただけないものの、20km/Lを超える実燃費はなかなか得難いものです。
雪国でのお洒落で経済的な足として、ラパンは合格点をあげられます。
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