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スペイドの評価集

スペイドの4WDの性能は?実燃費や雪道走行を徹底評価!

2012年7月23日に姉妹車の2代目ポルテと同時に発表・発売されたスペイドは、ワイヤレス電動スライドドアを助手席側に標準装備したユニークなコンパクトカーです。

軽自動車では満足しない子育て主婦に人気がありますが、それは都市部にかかわらず、積雪が珍しくない地方においても同じこと。

そのため、全グレードに4WD車を設定して、地域を問わずユーザーの要望に応えています。

では、スペイドの肝心な4WDの性能はどうなのでしょうか?

そして実燃費や雪道走行は?そんな疑問に答えるために徹底評価してみました。

スペイド4WDは買いか?それとも・・

スペイドのグレードの価格は?

2WD車との価格差は151,200円となり、トヨタのコンパクトカークラスとしては平均よりやや高めの設定となっています。

グレード間の差額は、ベーシックモデルの「X」と特別仕様車の「 F“Queen Ⅱ”」でも163,080円ときわめて狭く、他車種のグレード一つ分程度の価格差に5つのグレードがあるのが、スペイドの価格設定の特徴です。

また、特別仕様車「F“Queen Ⅱ”」を含めて全てのグレードに4WD車が設定されます。

グレード名価格(円)
G 4WD2,077,920
F 4WD1,979,640
Y 4WD1,990,440
X 4WD1,937,520
特別仕様車 F“Queen Ⅱ” 4WD2,100,600

スペイドの2WDと4WDの装備の差

スペイドの2WD車と4WD車の装備差は、駆動方式の差(4WDオートモードスイッチ)によるもの以外にはなく、特徴である「大開口ワイヤレス電動スライドドア」もベーシックモデルの「X」から装備しているので安心です。

ライバル車との比較

コンパクトカーでも独特でユニークなモデルであるスペイドのライバルとしては、ターゲットとするユーザー層が共通な、スズキ「ソリオ」があげられます。

助手席側スライドドアを持つスペイドに対して、両側スライドドアを後席両側に備え、ハイブリッドなど複数のパワーユニットを持ち、安全装備も充実したソリオはまさにスペイドの天敵。

ただし、ホイールベースがスペイドより12㎝短いことから、後部座席の居住性や、荷室スペースのアレンジはスペイドの方が有利となります。

もちろん4WD仕様も設定され、4WDの性能に差はないものの、安全装備や燃費性能とともに、車両価格が低く抑えれれていることは、販売台数に決定的な差を付けられる要因となっています。

ソリオ ハイブリッドMX 4WD(マイルドハイブリッド):1,881,360円(デュアルカメラブレーキサポート装着車)

ソリオ G 4WD(1.2L):1,581,120円

スペイドの実燃費は?

スペイドのカタログ燃費

4WD車:16.0㎞/L
2WD車:22.2㎞/L

約50㎏の重量増があるにしても、2WDと4WDの燃費の差が非常に大きいのが気になります。

これは4WD車が採用する1NZ-FE型エンジンに、アイドリングストップ機能(Stop&Start System)が設定されていないことが大きく影響しています。

これはカローラシリーズでも同じ傾向であり、トヨタの4WDユーザーには納得しがたいでしょう。

スペイドの実燃費

4WD車(e燃費):10.15~11.69㎞/L

2WD車(e燃費):12.34~16.42㎞/L

スペイド平均燃費(みんカラ):13.98㎞/L

カタログ燃費から想像した通りの実燃費です。

平均燃費が4WDの実燃費を上回っているのは、2WDの比率が圧倒的に上回っているための結果です。

ライバルの燃費

カタログ燃費

ソリオ ハイブリッドMX 4WD23.8㎞/L

ソリオ G 4WD(1.2L)22.0㎞/L

1.2Lだから燃費が良いのは当然、 マイルドハイブリッドも当然なのですが、マイルドハイブリッド車にしても、スペイドのベーシックグレード「X」より約10万円安い車両価格であることも含めると、経済性においてはスペイドに勝ち目はなさそうに思えます。

実燃費

ソリオ ハイブリッドMX 4WD(e燃費)16.81㎞/L

ソリオ G 4WD(1.2L)(e燃費)13.01~14.87㎞/L

ソリオ ハイブリッドMX 4WD平均燃費(みんカラ)17.21㎞/L

ソリオ G 4WD(1.2L)平均燃費(みんカラ)15.51㎞/L

カタログ燃費よりかなり接近しますが、ソリオの燃費性能の方が優れているのは明らかです。

スペイドの雪道の走行性能は?

スペイドの4WDに採用されるアクティブトルクコントロール4WDは、リアデファレンシャル前部に配置された電子制御カップリングの伝達トルクを制御することで前後輪のトルク配分を、各種センサの情報を基に4WDコンピュータが、路面状況や走行状態に応じたきめ細かな前後輪トルク配分を行ないます。

このシステムは、一般的に「スタンバイ方式」と呼ばれ、フルタイム4WDのようなセンターデファレンシャルが不要になるため、システムの簡素化による小型・軽量化が図れ、安定性と低燃費化を実現できるために多くの車種に採用されています。

スペイド4WDの雪道走行性能は?

一般道での優れた走行安定性に寄与することを目的とした4WDシステムであり、もちろんその延長線において、凍結路面や圧雪路でも2WDよりも走破する能力は高いのは間違いなく、このような状況が日常的な地域にとってはスペイドも4WD車を選ぶべきですが、オフロード走行や積極的に雪道走行をするのが目的ではないことは、知っておくことが重要です。

安全性という意味では、衝突回避支援パッケージの“Toyota Safety Sense C”を標準装備し、”サポカー”対象車でもあるスペイドですが、雪道では自動ブレーキも効果は半減されてしまいます。

そこで、4WDの安全性能が加わればその安全性能が向上するのです。

スペイドの4WDのまとめ

スペイドに限ったことではありませんが、4WD車選びにおいては、その目的をはっきりとさせることが重要となります。

スペイドのような乗用車、特にコンパクトカーの場合には4WDとはいっても、「四駆」からイメージする悪路走破性は持ち合わせていません。

4WDシステムも軽量コンパクトでコストを抑えるために、最低限度の仕事しかできません。

あくまで、日常の中での安全性と走破性が2WD車よりは有効という程度で、また、SUVのように地上高も高くなく、ホイールアーチ内も広くとっていないため、深い積雪では身動き取れなくなるのは2WD車と変わりません。

もし、冬場は常に深い積雪で大変な思いをするという方なら、ランクルとまではいかないまでも最低地上高に余裕のあるSUV(RV)を選ぶべきです。

スペイドの4WDとしての能力については、コンパクトカーの平均的な能力をもっており、寒さの厳しい地域において、除雪された道路などでは、ヒヤリとする状況が減り、なによりも安心感が違うのは間違いありません。

そして、異常気象が当たり前になった現在、日本中どこにお住まいでも、できればすべての方が4WDを選択することが理想です。

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